2021-01-09 的外れなメロス 的外れなメロス 羽衣は撃たれてもなお、宙に舞っていた 世間という押蓋に ぎゅうぎゅうと押し込まれたが ふたりは笑いながら雨の中を走った エナメル靴の硬い音が雨音と混ざって降った 祝日は手付かずのまま、まだ充分に残っていた 果たしてこんにちに終わりはあるのか わたしもふたりの後を走った 謎や懐疑をひっくるめて走った