的外れなメロス

的外れなメロス


羽衣は撃たれてもなお、宙に舞っていた

世間という押蓋に

ぎゅうぎゅうと押し込まれたが

ふたりは笑いながら雨の中を走った

エナメル靴の硬い音が雨音と混ざって降った

祝日は手付かずのまま、まだ充分に残っていた

果たしてこんにちに終わりはあるのか

わたしもふたりの後を走った

謎や懐疑をひっくるめて走った