2020-01-01から1年間の記事一覧
探しているふりが嫌いだ 道の花を踏まないよう 心の中をジグザグに進む 秒針は笑い続けた TVはあの日々を忘れてしまった 生きている者が変わっていくのに カレンダーには印もつかずに そのまま彼らは笑い続けた 鮮やかな朝、ただの暑い夏 永遠に続くと笑い続…
徘徊 せっかくの嘘が本当だなんて飽きてしまったラムネの後味を口に残したまま味気ない「はい」を唄っている ゆっくりと腐るために、なんでも手元に残しておいて 宛名を書かずに祈りつづける遠くで笑う人々の顔に私の涙が懸るように スポイトは送って差し上…
続きは忘れる こしょうはあらびき スペアキーは捨てるのに えんぴつはペン皿に5本 だから許したことがない エアコンの匂いも、犬のほほえみも
休日の使い方を忘れたまま、 草原で寝ころぶ人を夢にみた。 川で足を洗って、葡萄園の隅に住んでいる。 私は猫で、葡萄の木の下で、眠る。 まるまって眠っている。 その人に抱きあげられ、 名前をつけてもらうことを夢見て、眠る。 まるまって眠っている。 …
木の実 泣きたいけれど邪魔もはいる 横断歩道は渡りにくいのにうつくしい スカートの長さは気にならない。夏が近いから 街は動かないのに不安になるし 世界を守るのは人間じゃあ、ないのだろう 進化はなるべく大胆にカラフルに 道を開けなさい、でなけ…
網棚に海 脳内リセットメロディをかけた せっかく雨だから歌っていた 弟がコンソメスープを煮ていた 橋が崩れそうだった 嘘をついても鼻が伸びなくて、 頼めないことを片付ける今日明日 新しく何か生み出さないでくれ ちいさな火さえ吹き消してくれ