2019-12-17 失われた環 失われた環 書き忘れた季語を 見つからないように足元へ埋めた なるべく幸せでいて下さいね 若い微笑みを支える日々にも 名前にしかない綻びがあること 「いつか」でいいから思い出せるよう 大切に大切にしていたんだものね 街を行き交う背中を眺める 称賛はなくても生活があるので あなたへ届く、陽の光と言葉じりの全てが 暖かいことを願いましょうか 小さな笑いじわと答え合わせもせずに まっすぐのびる行く道一本を 恐ろしく信じ込んだままなら 冷えた両手を溜息で温め、 なるべくそのままで生きて下さいね