ベンチの無い国

ベンチの無い国

 

いつか、に戸惑う眼瞼の海

転がるボール、足元に消え

退くか退かすか差し当たる手背

金平糖で話す君が目障りだ

 

またね、に怯えて動けない身体

今この場所だけに、深緑の雨

見えない影の向きも変わって

マンホールとだけは遊びたくない

 

無理だ、と刺されて浮き彫りの脈

あの銀色の気持ちを取り戻したい

息をかけても動けない背もたれから

離れられない、反響したカサド