対象外
対象外
他人の庭にだけ昇った太陽の
あまった光を盗み食うていた
毎朝軒先へ青臭いバケツを置き
溜まった光を盗み食うていた
行く先々で呼び止められる
名前を誰かに盗まれたまま
ねぇ、で振り返り、はい、と答える
背中に貼られた紙切れの枠内に住む
罰点の数を知らないままで
首筋へ丸を書き足していた
サンタン
サンタン
無駄に高いだけの空だろうか
雲なんて地まで落ちるだろうか
同じ太陽に焼かれているらしい
生活の端々に付箋をして
思い当たる全ての利害を分け合える日が来て
健全で良好な笑顔を直接
心臓に染み込ませることが出来るだろうか
口承
口承
右より
君の敬語が
月にタオルケットを掛け、
眠らせてしまう
静かに動く四輪駆動、一時停止線を跨ぐ
秩序宇宙に4泊3日
薄荷ばかりで埋まった中指の爪
切って撒いても芽が出てこない
左へ
壁面
壁面
新聞配達の音で起きて
陽が溢れた布団の中で
満タンの湯船に横並びで
白い建物で白い服を着て
首を絞める手が痺れて止むまで
退屈だなぁ、珈琲を淹れる
紫の寄進
紫の寄進
スクロール、川が流れる
足裏だけで留まって
怖い淡いと容易に泣ける
叫び叫べば黙り込む乖離が
手首に付着、緩まないこと